2019年09月12日

アーモンド

SohnWon-Pyung_001.jpg
 作:Sohn Won-Pyung(ソン・ウォンピョン)
 訳:矢島 暁子
 装画:Yoon JungWoo
 装幀:田中 久子
 出版社:祥伝社






■ 内容説明 ■

扁桃体が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができない十六歳の高校生、ユンジェ。
そんな彼は、十五歳の誕生日に、目の前で祖母と母が通り魔に襲われたときも、ただ黙ってその光景を見つめているだけだった。
母は、感情がわからない息子に「喜」「怒」「哀」「楽」「愛」「悪」「欲」を丸暗記されることで、なんとか“普通の子”に見えるようにと訓練してきた。
だが、母は事件によって植物状態になり、ユンジェはひとりぼっちになってしまう。
そんなとき現れたのが、もう一人の“怪物”、ゴニだった。
激しい感情を持つその少年との出会いは、ユンジェの人生を大きく変えていく――。
怪物と呼ばれた少年が愛によって変わるまで。


■ 登場人物 ■

ソン・ユンジェ … 主人公。失感情症
母さん … ユンジェの母
ばあちゃん … ユンジェの祖母。母さんの母
シム博士(シム・ジェヨン) … パン屋の社長。元医者
ユン教授(ユン・グォノ) … 大学の教授
ゴニ(ユン・イス) … ユン博士の息子。幼いころ誘拐された
イ・ドラ … ユンジェの同級生。走るのが大好きな女の子
まんじゅう … 高校生。不良
針金の兄貴 … ゴロツキ。少年院出身


■ 感想 ■

モヤモヤする。
何にモヤモヤするのかというと、失感情症を軽く扱いすぎている気がするのだ。
書くことは非難しない。むしろ良い。ただ、もう少し説明が必要ではないかと思う。

昔、「レインマン」という映画があった。
主人公の兄は自閉症(本当はサヴァン症候群らしいが、当時は自閉症と訳されていた)で、優れた記憶力と計算力を持っている。
モデルとなったキム・ピークさんは、9000冊以上の本の内容を暗記し、日付を聞けば即座に曜日を答えることができたという。
この映画が大ヒットしたことで「自閉症=超人」というイメージが強く焼き付いてしまい、自閉症者を抱える一部の家族は迷惑したと聞いたことがあるのだ。

もうひとつは、ラスト付近の展開が気に入らない。
ネタバレになるので控えるが「なんか違う……」という感じで、この中途半端な気持ちも、モヤモヤにつながっている。

しかし、それ以外は本当に良かった。

話は面白く、登場人物も魅力的だ。
深く考えさせられる言葉、思わず涙ぐんでしまう場面もあった。
特に、おばあちゃんが良かった。
主人公との出逢いも、別れも。
「かわいい怪物」という呼び名も。

シンプルな表紙もいい。
絵は四色、文字色を含めても六色しか使っていないのに、このインパクトったら。




posted by 日和 at 16:39| Comment(0) | 小説(S) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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